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別ゲームのSS

ちょっと置き場として利用させて頂きました。

******************


天気は快晴。雲が一つもなく、太陽は自身を遮るものがないためか、普段よりも活発に輝いているように感じる。
場所は茨城県の東にある人工島、久遠ヶ原。撃退士を育成する機関、久遠ヶ原学園が存在する場所である。
この学園は天魔に唯一対抗できる力、アウルを持つ者を集め、撃退士として育成し、天魔の事件解決を行う役割を持っている。
今、公園でイヤホンを付け、ジョギングをしている一人の人間も、その生徒の一人である。長く黒い髪は首元の辺りでリボンで結ばれており、走る度に揺れて広がっている。その容姿はまだ幼い顔立ちが抜けきってはいないが、端麗な美しさを備えており、今でこそ青いジャージを着ているが、普段であれば多くの男性が思わず見返してしまうだろう。
しかし、その者は女性ではなく、男性であった。よく間違われてしまうが、彼はその度に否定している。間違われる要因として、その長い髪もあるが、彼は一切、切る考えは持たなかった。彼の名前は橘優希。このような容姿だが、既に成人している男性である。
優希は毎日の日課として、撃退士としての体力作りの為にジョギングを行っている。走り始めてかなりの時間がたっているのだろう。優希は息を荒くし、額からは汗が流れていた。
そんな苦しい状態ではあるが、優希の頭の中では、割と関係ない事を考えていた。

(今日は依頼の作戦実行日だから昼食は早めに取っておいて……準備も早め早めにしておけばいいかな)

今日のスケジュールを頭の中で整理し、これから自分が行う事を順序付けていた。走りながらもしっかりと頭を働かすことが出来る、これも撃退士として求められる力の一つなのだろう。
そう思考している間に優希のジョギングコースの折り返し地点である公園の噴水が見えて来た。天気が快晴という事もあり、水しぶきは日光を乱反射させて、輝く光っているように見える。その光景を見ただけで、優希は心なし熱くなった体が涼しく感じた。
そのまま噴水のまわりをぐるっと走り、あと半分と思ったところで、イアホンから優希が気に入っている歌が流れ始めた。綺麗な噴水に自分が好きな曲、この組み合わせで優希は疲労が取れたように感じた。
イヤホンから流れる曲に合わせて鼻歌を歌い、最後には走っているにも関わらず、その歌声を公園に響かせた。
上機嫌に優希は歌詞を口にしながら、走り続けた。その姿は見る人が見れば、元気な美少女のライブを行っているようなものであった。


**************


優希がジョギングを終え、寮に戻ってきた時には既に時計は午前9時を指していた。本日は授業がないという事もあり、優希は通常は朝5時から走り始めるが、のんびりするという意味で7時から走り始めた結果である。
この寮は学園が用意したものであり、新築の男子寮である。優希が使っている部屋は今は一人で使っており、同居人はいない為に気楽に使っている。

「……ん? 荷物?」

部屋の扉の前にはダンボールが一つ置いてあった。それには宅配便の伝票が張り付けられており、確認すると優希宛てに贈られたものである。優希はそれを持って部屋の鍵を開け、荷物をそのまま玄関わきに置いた。
優希は靴を脱ぎ、たっぷりの汗を吸ったジャージを脱いで、そのまま洗濯機の中へと放り込んだ。洗剤を入れて、スイッチを入れると洗濯機は音を立ててまわり始めた。
それを確認すると、優希はリボンを解いて、髪を広げた。リボンを洗面所の横に置き、かいた汗を流すために部屋に備えてあるシャワーを浴びる。寮にある大浴場へ行けば、もっとゆったりと出来るが、今回は汗を洗い流すだけであるため、シャワーで十分であった。
熱いシャワーを浴び、十分に汗を流し切ると、優希はバスタオルで体の水気を取っていく。粗方体をふき終えると、用意しておいた服に着替えた。
まだ回り続けている洗濯機のモニターを見ると、終了まであと50分ほどかかるようだ。
優希は部屋のテレビを付け、ベッドに座ってニュースを見ながらドライヤーで長い髪を乾かしていく。

(ん~……作戦終わったら、帰りに楓奈の様子でも見に行こうかな。また灰皿が山盛りじゃなければいいけど)

優希の幼馴染である里条楓奈の事を考えていると、優希宛てに届いていた荷物の事を思い出した。
十分に髪が乾いたことを確認すると、ドライヤーを片付けて、いつものリボンを使って髪を束ねる。
玄関わきに置いておいた荷物を部屋の中へと持っていき、送り先を確認した。

「……姉さんから?」

送り先の住所は優希の実家から、そして送り主はその実家に住む優希の姉からであった。
優希は多少なり嫌な予感を感じるが、開けない訳にはいかない。恐る恐るとガムテープをはがしていく。
ダンボールを開けると、中にはビニール袋に包まれた白い衣服が見えた。
何だろう、と思いながら、優希はそれを手に取り、ビニール袋から出して広げてみる。衣服の正体はヒラヒラがやたら多くついた服、所謂、ゴシックドレスというものであった。
優希はドレスを確認すると、それをそっと畳み、ダンボールの中へと戻す。そして、机の上に置いてあるスマートフォンを静かに取ると、電話帳を開いて、登録されている電話番号を呼び出した。
電話をかける相手は当然、このドレスを送りつけてきた優希の姉である。電話の呼び出しコールが5回目に差し掛かる直前に、相手と電話がつながった。

『もしもし、優希? どうしたの?』

電話から聞こえる声の主は、明るく上機嫌な調子でいた。
弟の声が聞けて嬉しいのだろうか。

「どうしたの?じゃないよ!!何なの、あれは!?」
『あ、もしかしてドレス届いた? いやー、買い物に行ってたら見つけてさー、優希に似合うなーって思って思わず買っちゃったのよ」
「買わなくていいから!!何で買うのさ!?」
『だから似合うと思って』

優希の姉は悪びれもせず、さも当たり前かのように言った。
その言葉に優希は、いつもの事とは言え、呆れてしまう。何故、姉はいつもこうなのかと。
そんな思いをしている優希の事を気にする素振りもせずに、優希の姉は続けた。

『それにほら、これを着て楓奈ちゃんを誘惑しちゃいなよ。これならヘタレな優希でも楓奈ちゃんと』
「うるさいっ!!」

姉の声は途中で途切れた。いや、途切れさせたが正しい。
優希はピッと通話終了ボタンを押して、そのままスマートフォンをベッドへと叩きつけた。感情的になったとは言え、しっかりと壊れないようにマクラがある所へ投げつける姿は物を大事にする優希らしさがある。
ぜーはーと息を荒くし、優希は八つ当たりのように投げたスマートフォンを拾い上げ、ズボンのポケットに閉まった。

「……はぁ、姉さんは全くもう……」

昔から、何かと優希にこの手の悪戯を行ってくる姉に対し、優希は毎回、呆れとストレスを感じていた。
この届いた荷物をどうしようかと考えるが処分法は思いつかず、結局箪笥の中に隠してしまうしかないと結論付けた。
少し沈んだ気持ちでいると、ふと時計が目に入る。まだ寮を出るまでの時間はある。
今のうちに少し早いが作戦の準備だけはしておこうと、優希は気持ちを切り替えてこの後に控えている依頼の作戦実行の準備に取り掛かった。



************


「お疲れ様でしたー」

無事に依頼を達成し、その報告を学園にし終えた後、先ほどまで共に同じ依頼を受けていた仲間に別れを告げる。
先ほどまで一緒に行動していた仲間たちが見えなくなると、優希は時計を見る。時刻は午後5時を少し過ぎたぐらいであった。
辺りはまだ明るく、日も沈みきってはいない。空は今朝とは違い、いくつか雲が出ており、夕暮れの光が幻想的なオレンジ色の空を描いていた。

(ん~……思ったより早く終わったなぁ……楓奈の所に行く前に買い物していこうか)

想像していたよりもずっと早く作戦が終わり、この空いた時間を何か有効に使えないかと思案した結果であった。
本来、考えていた予定では、作戦終了後に楓奈の所へ行き、適当に楓奈の部屋の片づけなどをして帰るだけのつもりであった。しかし、せっかく出来た空き時間である。時刻も今から買い物をすれば夕食時にも間に合う時間帯である。
そう思うと、優希はすぐにスーパーへと足を向けた。一度、寮に戻って車を取ってくるという選択肢もあったが、かえって時間がかかると判断した為、直接買い物をし終えて、そのまま楓奈の所へと行くルートを選択したようだ。
近くのスーパーに到着すると優希は早速、篭を持ってスーパー内を回り始めた。いつもは買い物鞄を持ってきているが、今日は作戦帰りとそのままの身で来てしまった為に、レジ袋をもらわなければならない。エコには反しているが、ここは便利さを取ろうと自分に言い聞かせた。
本来であれば、節約してチラシに乗っている所謂広告の品を買うべきなのだろうが、久遠ヶ原学園の寮は格安で使用できる為、お金の余裕は十分とあった。その為、特に値段の事は気にせずに、自分が食べたいものを買う事が出来る。とはいえ、ステーキ肉など、比較的高い物にはそう気楽に手は出せない。
優希はメニューを考えながら材料を篭へと入れていく。買うものもなるべく少量な物……一食で使い切れる量を買うようにする。それはこれから行く所の主である楓奈が料理が作れない為、材料を余らせても腐らせるだけである。その事を考えて、使い切る量だけを買っていく。
材料を全て篭に入れて、レジを通す。貰ったレジ袋で買ったものを詰め込んで、優希はさっさとスーパーを後にした。

(……あ、ついでに寄っていこう)

そのまま楓奈が住むマンションへと向かうが、その途中にあるケーキ屋が目に付いた。優希は、楓奈へのお土産にと何か買っていこうと思い、店の中へ入っていく。
店の中はいかにも女性が好きそうな雰囲気を出している。本来ならば男性一人では浮いてしまうだろうが、優希の場合、その顔が女性と変わらない為か、全く違和感を感じない。
優希はショーケースにならぶケーキを見ながら、一つ一つ注文していく。店員に選んだケーキを箱詰めしてもらい、代金を支払って、その店を後にした。おかげで、両手が塞がってしまったが、特に気にすることなく歩き始めた。
優希の幼馴染である里条楓奈が住む場所は、一応久遠ヶ原学園の寮の一つである。しかし、その寮はマンションタイプであり、男女分かれていない。その為、優希も男子でありながら、気軽に楓奈の所へと赴く事が出来るのである。
逆に楓奈から、男子寮に住む優希の所へは通常では行けないようになっている。あくまでも通常では、であり、それなりの方法はある事はある。
そうこうとしている間に、楓奈の住むマンションへと到着した。優希はエレベーターを使い、目的の階まで移動する。
もはや行き慣れているのか、多くならぶ表札を見ずとも、楓奈が住む部屋の前まで迷いなく辿り着く事が出来ている。
優希は荷物を持った手をそのまま伸ばし、チャイムを鳴らした。合鍵は持っている為、開けれる事は開けられる。しかし、だからと言って無断で入るわけにもいかない。以前、驚かせようと合鍵を使って入ったが、タイミングが悪く、楓奈が着替え中の時に入ってしまった事もあった。
そんな経験があるからか、優希は楓奈が玄関を開けてくるのをじっと待った。

「ん? なんだ、優希か」

ガチャっと扉を開けたのは楓奈であった。
彼女は長い銀髪をポニーテールにして束ねており、その出るとこはしっかりと出ている魅惑な体とクールな振る舞いと整った容姿がより美麗さを感じさせた。

「遊びに来たよ。あとご飯も買ってきたよ」
「ん、とりあえず入れ」
「お邪魔します」

言われるがまま、優希は玄関へと上がる。
部屋に入ると、そこは楓奈の性格らしいシンプルな部屋作りをしていた。テーブルにクローゼット、テレビとベッドが置いてあり、本当に生活に必要な物のみを詰めたような部屋である。
優希は楓奈が優希の持つケーキが入った箱に視線が向いているのに気が付いた。

「これは食後のデザート。今はあげないからね?」
「……わかっている」

そうは言うが、視線が離れない。やれやれ、といった風に、優希はケーキを冷蔵庫の中へと入れておく。
スーパーで買った夕食の材料を台所に広げて、準備に取り掛かった。この台所は家主である楓奈自身は使わず、ほぼ優希専用のようになってしまっている。そのため、人の部屋でありながらも、優希は勝手を知っていた。

「それじゃあ、夕飯作っちゃうから、楓奈はテレビでも……いや、その前にその山盛りの灰皿を片付けておいて」

テレビでも見てのんびりしておいて。そう言おうとした矢先にテーブルの上に乗っている吸い殻が山盛りとなっている灰皿を優希は見つけた。優希はその灰皿を冷めた目でじっと見つめ、楓奈に片付けるように指示をする。

「あ、あぁ……わかった」

流石に罰が悪いのか、楓奈はどもりながらも返事をして、言われたように灰皿の片付けを始めた。楓奈はお酒こそは飲まないが、ヘビースモーカーであり、優希が心配するほどである。
片付け始めた楓奈を見て、優希もまた台所を使って調理を始めた。その手際はベテラン主婦かのような動きであった。事実、優希は子供のころから料理はやっていた為、いかに素早く、美味しく出来るかなど、料理をする際のコツというものは把握していた。
包丁捌きも慣れたものであり、次々に下ごしらえがされていく。一方、楓奈は灰皿の片づけが終わったのか、テレビを付けて、のんびりと出来上がりを待っていた。
調理を初めて1時間ほど経った。台所からは香ばしい匂いがしている。

「楓奈、出来たよ」

台所から出てきた優希は二つの皿を持っており、それをテーブルの上に置いた。どうやら作っていたものはリゾットのようだ。
優希は再び台所へと行くが、すぐに戻ってきた。用意したサラダを取りに戻っただけのようだ。サラダもテーブルに置いて、今夜の夕食がそろったようだ。
一見年頃の二人には少ないように見えるが、楓奈は元々小食である為に、これで十分であり、優希は夜はあまり食べずに、代わりに朝にしっかりと食べるようにしている為、自然とこの量になってします。

「それでは、頂く」
「うん、頂きます」

二人して両の手を合わせ、食事に入る。スプーンで掬ったリゾットは湯気が立ち、溶けた粉チーズが食欲を出させる見た目をしている。
一口ずつ、もぐもぐと食べていき、二人はサラダ、リゾットとバランスよく食事を続けた。二人はテレビを見ながら食事をしているが、これを咎める者はおらず、二人もそれほど行儀についてはとやかくは言わない。
見ている番組はクイズ番組であり、食事中に見るには丁度いい番組である。今、映っているのは10個の漢字の読み方を応える問題のようだ。

「……ふてくされる」
「……ふてくされる」

これは同時に二人が答える。

「……ふやける?」
「あぁ、ふやけるかぁ」

今度は楓奈だけが答えた。どうやら優希はわからなかったようだ。

「あ、これ僕わかる。ふるう、だよ」
「ふむ……」

先ほどとは反対に優希だけが答えがわかったようだ。

「…………わからない」
「…………私もだ」

しかし、最後の問題になると二人は黙りこみ、答えられない。
番組はそのままCMに入り、答えのわからない二人はもやもやとした気持ちでCM明けを待った。

「ん……? 楓奈、もうごちそう様?」
「あぁ……お腹いっぱいだ」

お皿の半分ほどのリゾットを残し、楓奈はもう手を付けるのを辞めていた。これは決して料理が不味かったとか食欲が無かったとかではなく、楓奈はこれで満足しているのである。
それを理解している為、優希も食べ残しに不安な気持ちは湧き上がらない。どちらかと言えば、ちゃんと栄養が捕れているかどうかの心配をしてしまう。
いつもの事なので、優希はラップを取って、楓奈の皿に被せた。

「冷蔵庫に入れておくから、明日、レンジで温めて食べてね?」
「あぁ、わかっている。ちゃんと食べるさ」

優希は残りの皿を冷蔵庫へ片付け、自分の食べ終えた皿やスプーンなどの食器を台所へと持っていく。
そのまま、スポンジに洗剤を付けて、食器を洗い始めた。

「優希。さっきの答えは、ふみいじる、だ」

CMが明け、答えが出たのか。楓奈は台所で洗物を片付けている優希に聞こえる様に言った。
なるほど、と思いながらカチャカチャと音を鳴らし、次々に皿を洗っていく。
すべて洗い終えると、また使っていなかった新しい皿とフォークを出し、楓奈のもとへと戻っていく。
ひとまず皿を置いて、優希は買っておいたケーキを冷蔵庫から取り出した。中にはいちごのショートケーキからモンブラン、チョコレートケーキなど定番のケーキが1つずつ詰められている。

「僕はチーズケーキもらうけど良い?」
「あぁ、残りは私がもらう」

さも当然かのように楓奈は言ったが、二人にとってはこれが当たり前なのである。
普通の食事に関しては楓奈はかなりの小食ではあるが、甘い食べ物に関しては全く別である。本当に甘い物用の別腹があると言われれば信じてしまうほどに、甘い物ならばいくらでも食べてしまう。
その癖、体質のせいか、なかなか体重には反映されず、スレンダーな体格が維持されている。優希の中で、この事実は七不思議のひとつとなっていた。

「はい、どうぞ」
「いただく」

ケーキを各皿に置くと、すぐに楓奈はフォークを持って食し始めた。
普通の食事もこのぐらいしっかりと食べてくれれば、と思いながら優希も自分の分を食べ始める。
優希自身も甘い物は好きな方なので、パクパクと早いペースでケーキを食べていくが、楓奈はそれよりもさらに早いペースで食べていく。
しかし、これでも楓奈はしっかりと味わって食べているのだ。その証拠に前にケーキの感想を聞いた所、しっかりと良い所、悪い所を答えられていた。

「あ、そういえば……今日、姉さんと電話で話したよ」
「夏美さんと?」

夏美というのは、優希の姉の名前である。幼馴染であるため、楓奈も優希の姉の事は知っている。

「楓奈によろしく、だって」
「……そうか」

実際には言ってはいない。
しかし、昼間に優希と夏美の間で交わされた会話には、それが含まれていた。
優希は贈られたゴシックドレスに関しては触れなかった。もし、これが発覚したら、どうせややこしい事態になるだろうと踏んだからである。

「さて……それじゃあ、僕はそろそろ帰るね」
「ん、もうか?」
「明日は授業あるからね」

優希はそういうと、空いた皿を取り、再び台所へと戻っていった。
先ほどと同様に皿を洗って、優希が来た時と同じ状況に綺麗に片付けた。
濡れた手をタオルで拭き、そのまま玄関へと向かう。

「それじゃあ、戸締りしっかりとね?」
「子供じゃないんだから、大丈夫だ」
「あとタバコもほどほどに」
「…………あぁ」

最後の最後で痛い所を突かれた楓奈は、罰悪そうな顔をして、返事だけはしておいた。
その表情を見た優希は、大丈夫なのか、と不安はするが、これ以上口を酸っぱくいっても逆効果なので、何も言わなかった。

「おやすみ、楓奈」
「おやすみ、優希」

靴もしっかりと履いて、玄関まで見送りに来てくれた楓奈に別れの挨拶をする。
少し寂しい気もするが、いつまでも居るわけにはいかない。優希は玄関の扉を静かに閉めて、楓奈の部屋を後にした。
夜もすっかりと更けて、街灯の光が眩く見えてしまう。昼間と違って、その景色はすっかりと模様替えをしていた。
もう春先だというのに、まだ夜は肌寒く感じる。優希は寒さから逃げ出すかのように小走りで街路を進む。
しかし、優希は寒さに耐えかね、途中で見つけた自動販売機で、コーンポタージュを購入した。
手のひらから伝わる暖かさを感じ、その暖かさもお腹の中へと入れていく。

「……ふぅ」

優希の熱くなった吐息は空中で白くなる。まだまだ春といえるほどの暖かさは遠そうだ。
ふと空を見上げた。街灯で星は見難くなっているが、それでも多少の星は見える。
その星を見上げてながら、優希は思う。

(……いつでも、こんな星が見れるように頑張らないとな)

撃退士としての自分。天魔やゲートの存在。
混沌とも言えるこの時代に自分の役割を考えた。
何故、自分が撃退士となったのか。いや、それ以前に何故アウルの力に目覚めたのか。
自問自答をするがその答えは出ない。だが……

(だけど……誰かを守れるなら、それでいいかな)

誰も傷つく姿を見たくない。だからこそ戦える。
思い上がりかもしれない。それでも、優希は思った。
自分が皆を守りたい、と。

「……くしゅんっ!」

柄にもなく、そんな事を思っていると、いつの間にか時間がだいぶ経っていたのか、すっかりと体が冷えていた。手にもつコーンポタージュも温くなっている。
優希は溜息を一つ吐いて、冷め切ったコーンポタージュを一気に飲み干して、空き缶をゴミ箱に沈めた。
また、優希は自分の寮へと小走りで帰路へ着く。





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あー

もうどうにでもなぁれって状態です。

背後さんがアレな状態となったので、SSがまだかけてない。レポートもまだ。
なんかもうすべてを投げ出したくなってます。

やっぱり、あれですね。だめです、うん。


というわけで、予定は予定になり、未定になりました

7月までの予定。

とりあえず、25日まではもう何も出来ない。予定いっぱい。

んで、31日までにレポートを仕上げないといけないから・・・まぁ、本気出せば2日か3日で終るから、27か28までに完成っと。んで、28は出かけなきゃいけないから・・・・・・29と30日までに異大陸用のSSを一本っと・・・・・・

8月3日までは何もないからそこは休んで、それ以降から10日までにレポートをさらに一本っと・・・・・・


・・・・・・な、なんとかなるか!!

あちゃー

ガウ落ちたかー。

何気にガウガブルは僕の故郷なので、色々と思い出があった所だったり。
まぁ、もうその頃からの付き合いの人はいないけどねーw たまにオフで会うぐらいだし。

んー、ちょっと世界が終る前に戻ってもいいかなーって思ったけど、落城って事は会議室真っ白だよね。だったら、もういいや・・・

終了のお知らせ

KOCが終了するようですが・・・・

まぁ、だからといって、ぶっちゃっけ何か変わったことをするっていうわけじゃないです、はい。
いつもどおりグダグダしてるだけだと思いますー。

あ、このブログはどうしようかな・・・・放置しててもいいけど・・・。

何か突発的にSS書きたくなって書くかもしれないし、それ用において置こうかな。
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